慰謝料について弁護士に依頼した場合の金額の違い
1 通院慰謝料の違い
交通事故で怪我を負った場合には、通院を余儀なくされたことに対する精神的な損害として、通院慰謝料が請求できます。
この通院慰謝料の算定に当たっては、自賠責(自動車損害賠償責任保険)制度によって定められている自賠責保険基準、任意保険会社が自社内部で定めている任意保険基準、裁判例の集積によって形成された裁判所基準の3つがあります。
金額の高さでいうと、自賠責基準<任意保険基準<裁判所基準となることが一般的です。
例えば、むち打ち症状で1か月間、15回通院を行った場合には、自賠責基準では12万9000円、裁判所基準では19万円になります。
骨折で6か月間、15日×6か月=90回通院を行った場合には、自賠責基準では、77万4000円、裁判所基準では116万円になります。
なお、任意保険基準では、上記の中間値程度になることが多いです。
2 死亡慰謝料の違い
交通事故に遭い、被害者が死亡した場合には、死亡慰謝料が請求できます。
死亡慰謝料についても上記のように自賠責基準、任意保険基準、裁判所基準の3つがあります。
自賠責基準での死亡慰謝料は400万円から1350万円ですが、裁判所基準では、一家の支柱であれば2800万円、母親や配偶者であれば2500万円、独身の男女、子ども、幼児等であれば2000万円から2500万円が相場金額となります。
3 後遺障害慰謝料の違い
交通事故に遭い、後遺障害が残ってしまった場合には、後遺障害慰謝料が請求できます。
例えば、むち打ち症状による神経症状などで認められる後遺障害等級14級の場合には、自賠責基準では32万円(後遺障害逸失利益を含めると75万円)、裁判所基準では110万円(後遺障害逸失利益は別途請求可能)になります。
4 弁護士に依頼すれば慰謝料の増額が期待できます!
上記で見たとおり、裁判所基準での慰謝料金額は、自賠責基準や任意保険基準と比べて高額になることが多いです。
ただし、裁判所基準は、弁護士の介入があり、裁判を提起されてしまう可能性があるからこそ相手方保険会社が応じるものになりますので、一般の方が裁判所基準での交渉を持ち掛けても、応じてもらえないことがほとんどです。
弁護士に依頼すれば、裁判所基準での慰謝料が期待でき、また、面倒な交渉も弁護士に一任することができます。
慰謝料でお悩みの方は、弁護士に相談することをおすすめいたします。
交通事故についてよくあるご相談
1 相手方保険会社から修理費ではなく時価額を提案された
⑴ 相手方の提示より高い時価額で請求を行える可能性もあります
交通事故で車やバイクに損傷が生じた場合、車の損害額を決める際に相手方保険会社から修理費ではなく、それよりも安い車の時価額で提示を受けることがあります。
この点について、修理費による賠償金を請求できないのか、といったご相談を受けることがよくあります。
ただ、車両の賠償金については、修理費と時価額に買替諸費用を加えたものを比べ、少ない方の金額が請求できることになります。
【請求できる金額】
・「時価額+買替諸費用」の方が「修理費」よりも高い場合:「時価額+買替諸費用」を請求できる。
・「修理費」の方が「時価額+買替諸費用」よりも低い場合:「修理費」を請求できる。
もし、時価額+買替諸費用の金額と比較して修理費の方が高い場合には、修理費の賠償を請求できない場合があります。
しかしながら、相手方保険会社から提示のある時価額は中古車市場価格より低い場合が多いです。
そのため、こちら側でも中古車市場を調査し、それをもとに時価額を提示すれば、相手方保険会社の提示より高い時価額で請求を行うことができる可能性もあります。
⑵ 修理費を請求できる場合もあります
また、相手方保険会社からは時価額の提示があるのみで、買替諸費用については何も提示されない場合が多くあります。
そのような場合には、買替諸費用についても時価額に加えて請求できる可能性があります。
もし、時価額に買替諸費用を加えた金額が修理費を超える場合には、時価額ではなく、修理費を請求することができます。
⑶ 賠償について気になった場合には弁護士に相談
車やバイクの賠償について、相手方保険会社からの提案が気になった場合には、一度弁護士に相談し、その提案が妥当なのかどうかを診断してもらうことをおすすめします。
2 相手方保険会社から納得できない過失割合が提示された
⑴ 過失割合の算出方法
相手方保険会社から事故の過失割合を提示されたものの、その過失割合に納得できないというご相談を受けることが多くあります。
過失割合については、裁判例の集積によって事故類型ごとに基本となる過失割合が、いわば相場のような形で形成されています。
そして、基本となる過失割合から個別具体的な事故の状況等を踏まえて過失割合を修正し、最終的な過失割合を導き出すことになります。
⑵ 過失割合の判断は専門的知見が必要になるため弁護士に相談
上記のとおり、過失割合を導き出すに際しては、今回の事故と同じような過去の裁判例でどのような判断がされているか、今回の事故の状況をどのように法的評価することができるかといった点が重要になります。
過失割合の判断は極めて専門的な知見が必要になることが多いため、過失割合が妥当かどうか、弁護士に相談することをおすすめします。